CORGI TRAIL – PLATINUM JUBILEE –

6月にエリザベス女王在位70年を記念した祝賀行事が行われた後、ロンドンの街には女王ゆかりのコーギー犬たちの像が至るところに見られます。

エリザベス女王はこれまで、推定30頭ほどのコーギーとドーギー(コーギーミックス)を飼っていたそう。
そして、様々な機会で女王と一緒に登場していて、国民にも愛されていたそう。

これはコーギー・トレイル(CORGI TRAIL)と呼ばれていて、19頭のコーギーたちを街中で探すイベント!

そしてその19頭のコーギーたちにはそれぞれ名前がつけられていて、本当に女王が飼っていた犬たちにちなんで名付けられているということ。

7月26日まで展示の後、チャリティ・オークションにかけられるとのことなので、見られなくなる前に全てのコーギーちゃんたちに会いに行ってきました!

ここでは、コーギー・トレイルの19匹のコーギーちゃんを一挙ご紹介します。

目次

コーギートレイル19頭、せいぞろい!

1. Honey(ハニー)

Elizabeth Street, SW1W 9PP

Elizabeth St. にたたずむコーギーちゃん。

名前:Honey(ハニー)

女王がチャールズ皇太子を出産した翌年、Susan(スーザン)も出産し、Sugar(シュガー)とHoney(ハニー)のお母さんになりました。Honeyは女王の母の犬だったそうです。

作者:Olivia Brotheridge

この作者の方はイラストレーターで、コーギートレイルのマップも制作したそう!このマップがとても可愛くて、子どもたちが大好きでした。作品のテーマは、ロンドンを代表する景観や有名なステキなものたちをマップにちりばめて、女王のジュビリーの祝福を表現したそう。

2. Holly(ホーリー)

Eccleston Yards, SW1W9NF

中庭にあるので見つけづらかったコーギーちゃん。

名前:Holly(ホーリー)

写真を撮られるのが好きじゃないのに、2012年のオリンピック開会式にMonty(モンティ)とWillow(ウィロー)と一緒に出演したコーギーです。華やかなのにひっそりとりた中庭にいるのが、そのストーリーを物語っているかのよう。

作者:Holly Holder

英国ロンドンを拠点とするアーティスト兼デザイナーで、鮮やかなカラーパレットとリズミカルなラインが特徴的な、ナチュラルなパターンを得意とするデザイナーさんです。この作品は、年輪にインスパイアされた木目パターンにユニオンジャックの色を投影し、長く続く歴史を表現したということです。

3. Dookie(ドゥーキー)

Victoria Station, SW1E 5ND

ヴィクトリア駅の真ん中にたたずむコーギーちゃん。

名前:Dookie(ドゥーキー)

女王が7歳の時に王室で飼われていた王室最初のコーギーだそうです。子犬の頃、兄弟と同じボウルでごはんを食べるのを拒否したことから「デューク」と呼ばれ、それが「ドゥーキー」になったとか。

作者:Kirsty & Brittany Design

KirstyとBrittanyは小学校の時からのお友達で、同じ大学で一緒にデザインを学んだそう。プラチナジュビリーカラーのパープルをベースに、手書きのいたずら書きを加えて、楽しくエネルギッシュな印象のデザインに仕上げたそうです。

4. Heather(ヘザー)

Lower Grosvenor Gardens, SW1W 0DH

庭園の木漏れ日の中気持ちよさそうにたたずむコーギーちゃん。

名前:Heather(ヘザー)

Susan(スーザン)を祖母にもち、Honey(ハニー)を母親に持つ子です。また、Foxy(フォクシー)とt院(タイニー)のお母さんでもあります。

作者:Olivia Clarke

彼女はロンドンアートスクールを卒業し、現在、プロダクションデザインの修士号を取得しています。このコーギーは、ウィンザーとロンドンのインコを胴体に描いています。エメラルドグリーン色はロンドンのミュージカル「WICKED」にちなんでいるそうです。

5. Suger(シュガー)

Nova, SW1E 5DJ

おしゃれなオープンカフェの真ん中でセレブ感満載のコーギーちゃん。

名前:Sugar(シュガー)

女王がチャールズ皇太子を出産した翌年、Susan(スーザン)も出産し、Sugar(シュガー)とHoney(ハニー)のお母さんになりました。Sugarはチャールズ皇太子とアン王女のペットで、とてもやんちゃでよく子どもたちのズボンを噛んでいたとか。

作者:Soul’D

ロンドンを拠点に活動するステンシルアーティスト。「あなたの行動と言葉が、優しさを外側に広げていく」というSoul’Dのバタフライ効果という概念。虹の向こうに世界を見わたすと、あなたのまわりの世界がちょっと変わって見えるかも。

6. Susan(スーザン)

Cathedral Piazza, Westminster

ウェストミンスターカセドラル前の広い広場にポツンとたたずむ、ホンモノのコーギーのような子。

名前:Susan(スーザン)

エリサベス女王の18歳の誕生日に贈られた、最初の女王のコーギー。新婚旅行さえも一緒で、どこまでも行動を共にした愛犬でした。女王がとても愛したコーギーです。

作者:Miya Tsuruda-Behan

19歳の画家。このコーギーがビクトリアという伝統的なエリアに配置される予定だったため、伝統的なコーギー犬に基づきデザインしたということです。

7. Willow(ウィロー)

Cardinal Place, SW1E 5JD

地下鉄ヴィクトリア駅から地上に上がったところのショッピングモール内にたたずむコーギーちゃん。

名前:Willow(ウィロー)

Susan(スーザン)の血を引く最後の世代でした。エリザベス女王はWillow(ウィロー)が亡くなった時、とても悲しんだと言われています。2012年のオリンピック開会式にMonty(モンティ)とHolly(ホーリー)と一緒に出演したコーギーです。今Willow(ウィロー)は、ウィンザー城に埋葬されています。

作者:Hannah Sykers

ロンドンを拠点に活動するイラストレーター兼サインライター。ボタニカルな絵を描くことが得意な彼女は、女王とフィリップ王子のラブストーリーを花の絵で描きました。王子のニックネームが「キャベツ」であることを踏まえ、美しいキャベツの花を描き、その上に、お互いに呼び合っていたニックネームを書いたそうです。

8. Muick(ムイック)

St. James’ Court, a TAJ Hotel, SW1E 6AF
ホテルの中庭にたたずむコーギーちゃん。このホテルも本当にステキでした!

名前:Muick(ムイック)

英国スコットランド北東部にあるバルモラルの、女王のお気に入りのスポットの1つであるムイック湖にちなんで名付けられました。2021年にアンドリュー王子とその娘たちから女王に贈られたコーギーです。

作者:Lisa Todd

アフリカのアートから影響を受けています。この作品は、伝統から現代的なデザインにつなげて、私たち全員が互いに関わり合っているかを表現しています。このコーギーはLisaの3つ目のもので、2019年のビクトリア女王生誕200周年の「ウィンザーのライオンプロジェクト」の時のライオン『ミスターレインボー』のデザインにちなんでいるとのこと。

9. Fergus(ファーガス)

The Guards Museum, SW1E 6HQ
Guards Museumが16時までで閉まっていて、リベンジの2回目の訪問でようやく撮影できました!

名前:Fergus(ファーガス)

コーギーとダックスフントのミックスで「ドルギ」と呼ばれている種類の子です。名前は、第一次世界大戦中にフランスで亡くなった女王の母方のおじであるFergus Bowes-Lyon(ファーガス・ボーズ-リヨン)にちなんで名付けられたとのこと。Muick(ムイック)と同じく、2021年にアンドリュー王子とその娘たちから女王に贈られたコーギーです。

作者:Alice Esme Greenacre

20才の絵画を学ぶ学生さん。風景画を得意とする彼女は、ウェリントン兵舎やバッキンガム宮殿など、このコーギーがおかれる予定だった場所の伝統的な風景を反映してこのデザインにしたそう。

10. Carol(キャロル)

Buckingham Green, SW1E 6AS

背中にはたくさんのメッセージが描かれていました!漢字らしきものも見つけました。

名前:Carol(キャロル)

クリスマスイブに生まれたことから「キャロル」という名前がつけられたそうです。

作者:Jurga Amehome

芸術家の家系に生まれ、リトアニアのヴィリニュスで芸術の修士号を取得し、クリエイティブディレクターとして働きながら、日本の墨絵と書道を学んだそう。2004年にロンドンに渡り、創作や仕事をしながら、後世に教える仕事もしているとのこと。彼女自身がヨーロッパの様々なバックグラウンドを持つ血筋だったことから、芸術もイスラム的な要素と日本の「禅の美」を取り入れた作品を生み出しているようで、このコーギーは、平和と結束のメッセージから、英語・ラテン語・アラビア語・リトアニア語・ヒンドゥー語・ヘブライ語・ペルシア語・グルムキー・サンスクリット語・日本語…など、多くの言語を混ぜて表現したそう。

11. Tiny(タイニー)

Christchurch Gardens, SW1H 0AX

公園の緑に溶け込む、鮮やかな青のコーギーちゃん。

名前:Tiny(タイニー)

これまでのコーギーとは違って、サセックスで生まれた子でした。Tiny(タイニー)はコーギーとダックスを親にもつ「ドルギ」という種類で、女王に可愛がられました。

作者:Alex Cullen

アレックスは、絵画、デジタルアートを専門とするイラストレーション・アーティストです。遊び心のある、派手で抽象的な形は、自然、岩、根、山、雲、サボテンなどをイメージしています。まだまだ成長する彼の作品はますます成長中!

12. Sherry(シェリー)

St. Ermin’s Hotel, SW1H 0QW
ステキなホテルのエントランスで番犬のように立っているコーギーちゃん。

名前:Sherry(シェリー)

チャールズ皇太子とアン王女にクリスマスプレゼントとして贈られたコーギー。王室で人気のあるお酒にちなんで名付けられたとか?

作者:Dominika Karc

彼女は、彫刻の修士号を取得した後、2019年12月にクライナ東部で戦争の影響を受けた人々を支援するためにボランティアをしました。その後ロンドン街を抽象的なアートで飾る活動を始めました。自然界では完全な対称性が発生しないため、さまざまな形やパターンを作成する際に「不完全」性を残しています。このコーギーに配色した赤は「エネルギー」と「情熱」の象徴であり、デザインにアクセントを与えています。

13. Whisky(ウィスキー)

Conrad London St. James, SW1H 0BH

ホテルのエントランスで威厳のある風格のコーギーちゃん。

名前:Whisky(ウィスキー)

Sherry(シェリー)と同じく、チャールズ皇太子とアン王女にクリスマスプレゼントとして贈られたコーギー。王室で人気のあるお酒にちなんで名付けられたとか?

作者:Aga Skiba

窓や壁画の絵画を専門とする英国を拠点とするアーティストで、ハロッズなどで彼女の作品を見ることができます。失読症という症状があり、そのために全ての人への共通言語である芸術への才能が開花しました。自然や、幼少期の思い出、出会いという3つの主要な要素から作品のインスピレーションを得ています。作品を見た人に喜びを感じてもらえるようなものを作り出すことを目標としています。彼女は、ガラスに背中合わせにペイントする独自の技術を開発し、透明な塗りを何層にも重ねて、奥行きや立体感を生み出しています。

14. Jane(ジェーン)


united Nations Green, SW1P 3EE

ウェストミンスター寺院が見える絶景のロケーションにたたずむコーギーちゃん。

名前: Jane(ジェーン)

ドゥーキーの仲間として迎え入れられました。 Clackers(クラッカーズ)と一緒に第二次世界大戦中、ウィンザー城でマーガレット王女とエリザベス王女と過ごした子です。王室最初の犬であるDookie(ドゥーキー)が亡くなった後、家族のトップ犬になったそうです。

作者:Rowana Mallett

ロンドンの南に住むアーティストです。幼少期にアジアのたくさんの国に住み、その経験がアート制作の原動力となっています。このデザインは、エリザベス女王がこれまで訪れた場所にを意味していて、それを1つずつ、7本のストライプで作ったジャケットとして表現しています。抽象的な形が訪れた場所を、そして色はエリザベス女王の服の色をイメージしているとのこと。

15. Emma(エマ)


Whitehall Gardens, SW1A 2HE

お花がいっぱいの庭園に、花々に負けないいでたちのコーギーちゃん。

名前: Emma(エマ)

フルネームは Emma Moondust(エマ・ムーンダスト)。Emmaは Dagger(ダッガー)、Dipper(ディッパー)、Jay(ジェイ)、Linnet,(リネット)、Martin(マーティン)、Plover(ポルヴァー)、Wren(レン)のお母さん。女王は、サンドリンガムで狩猟犬を担当する Bill Meldrum(ビル・メルドラム)にEmmaを贈りました。

作者:Rebecca Hardaker
ロンドンを拠点に活動する現代アーティストで、作品はいくつか個展に選出されているほど。彼女はマンチェスター大学で古典学の学士号を取得し、バーミンガム大学で遺産管理の修士号を取得した経歴を持ちます。この作品は「彼女の生涯の愛に敬意を表して… 」というテーマで、女王と花を表現。花は「変わらぬ愛」「尊敬」「忠誠」を象徴し、さまざまな形や色で、女王の生涯の愛を表現しているのだそう。

16. Crackers(クラッカーズ)


Charing Cross Station, WC2N 5HF

Charing Cross駅の番犬のような存在!元気をもらう可愛さです。

名前: Crackers(クラッカーズ)

第二次世界大戦中にマーガレット女王とエリザベス王女と一緒にウィンザー城に送られ、戦争が終わるまで一緒に過ごした子です。

作者:Berengere Ducoms
フランスのロウエン(Rouen)生まれのアーティストで、クリエイティブレタッチャーと、放課後にアートを教える仕事をしているそう。彼女のデザインは、ファッション・インテリアからヒントを得ているのだそう。このコーギーは、エリザベス女王のカラフルなワードローブからインスピレーションを得てデザインしたんだって!とっても可愛らしいデザイン!

17. Linnet(リネット)


Victoria Embankment Gardens, WC2N 6NS

公園で遊ぶ子どもたちを見守っています。お花にかかるスプリンクラーの虹のよう。

名前:Linnet(リネット)

2000年に生まれ、女王の人生の中で飼っていたコーギーの、最後のお母さんです。スコットランドの楽器のバグパイプが大好きで、女王が演奏するときはついて回ったそうな。

作者:Jeremy Clarke
都会の風景やボートヤードをスケッチするデザイナー/プロジェクトマネージャーです。ここ数年、よくないことばかり起きているけれども、太陽の光が生み出す虹はいつも希望をもたらしてくれることからこのデザインにしたそう。虹は希望のシンボルで、NHSへの感謝の気持ちの現れです。Jeremyは、医療従事者のみなさんが笑顔になるように願って制作したそう。

18. Sandy(サンディ)


Victoria Embankment Gardens, WC2N 6NS

カラフルに彩られて庭園でもとてもよく目立っていた子。

名前: Sandy(サンディ)

女王の新しいコーギーのうちのひとりです。2021年6月に女王の元に行き、Muick(ムイック)と一緒に元気に成長しています。

作者:Sophie Malpas
イーストサセックス州を拠点とするアーティスト。色は心理的な力に深くつながっていると信じ、今回の作品も、幸福を表現するたくさんのハッピーカラーで女王へのお祝いの気持ちを彩りました。色彩は、世界をひとつにする言語。色で愛を伝える活動をしているアーティストです。

19. Monty(モンティ)


Strand Palace Hotel, WC2R 0JJ

最後を飾るのにふさわしい風格。ホテルのエントランスの番犬。

名前: Monty(モンティ)

はじめは女王の母親の犬でした。2012年のオリンピック開会式にHolly(ホーリー)とWillow(ウィロー)と一緒に出演したコーギーです。

作者:Alison salter
2004年に美術専攻を卒業しました。最近は、服飾業界でテキスタイルとグラフィックデザインの仕事をしています。また、フリーランスイラストレーターとしても活動しています。お祝いの象徴としてのガーラントを一面に飾り、女王の治世の年にちなんで合計70の旗を描いています。それぞれに女王にちなんだイラストが描かれています。

コーギートレイルまとめ

19頭全部を回りましたが、若きデザイナーさんたちが思い思いに彩ったコーギーたちは本当に見応えがあり、子どもたちも楽しくトレイルすることができました。

街を歩く中で、たくさんの犬連れの人とすれ違い、イギリスの国民がどれだけ愛犬家が多いかわかって、新しいことを知ることができる体験でした!

たまちゃんは研究熱心で、これを夏休みの自由研究にするとのこと。どんな作品ができるか楽しみです。

この記事を書いた人

2022年2月2日、突然夫が海外単身赴任に!!子ども2人+愛犬とのワンオペ生活1年間、無事に切り抜けられるか・・・。頑張りどころの一年をつつみかくさず記録していきます。

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