ロンドンでよくひったくりのような形で携帯を盗む人がいるとか、巧妙な手口で持ってスリをする人がいるとは聞いていましたが、今回我が家も被害に遭ってしまいました。
携帯はこんな手段で盗まれる
我が家の場合の事例
日曜日の夜、旅行帰りにパディントン駅のパブでサッカーのゲーム見いていたところ、他の席に空席があったにもかかわらず、10代くらいと思しき男性が自分と同じテーブルに座った。そして「Do you have change?」などと話しかけてきた。「I dont’ have.」などと返答し、しばらくするとその男性が去っていったが、10分後くらいに携帯がないことに気づいた。
話しかけられて、隙をついて携帯を奪うという手口でした。悪意を持って携帯を盗まれた場合は、戻ってくる可能性はほとんどゼロと考えた方がいいのですが…
Apple Watch や iPad と連携がなされているため、気ついてすぐに追跡を行ったところ、High Street Kensington Station にあることがわかりました。その後も追跡を行いました。
盗まれた携帯は、他のデバイスがあれば追跡できる
Apple WatchやiPadと連携がなされていれば、すぐに追跡を行うことができます。今回とても役に立ち、犯人の逃走経路が目視で確認できました。
※ 追えるからといって犯人を追跡するのはやめましょう。犯罪グループの犯行の場合、とても危険です!
犯人の逃走経路
犯人と思われる男性が去ってからおよそ10分後に盗難に気づき、直後に確認した時のことです。
バスか地下鉄で、およそ10-20分くらいのところにある、ハイ・ストリート・ケンジントン駅で反応が見られました。

その20分後、なぜかパディントン駅の近くに戻ってきていて、”the Association of Royal Navy Officers”というところで反応が見られました。公共の施設なので、どんなところなのか調べたところ…
どうやら非営利団体の建物のようで、トップページを翻訳するとこのように出てきます。
イギリス海軍将校協会 (ARNO) は、すべてのイギリス海軍、イギリス海兵隊、QARNNS の将校とその海事保護区の関係者のための 5,000 人の強力な会員組織です。
“the Association of Royal Navy Officers”
関係者だとしたら大問題ですね…

それから2時間後、そこから徒歩3分のところにある”Cervantes Ct, London”で反応が見られ、どうやら一晩そこに置かれて過ごしたようです。

盗難に遭った翌日の13時ごろにまた調べたところ、今度は大きく移動していて、個人が特定できるような郊外の住宅地にあることがわかりました。
イギリスのロンドンでは、郵便番号だけでほぼ個人が特定できます。
我が家も、フラットの中に3件しか世帯がないので、郵便番号だけでほぼ絞り込まれてしまいます。フォームに入力する時っはとても楽ですが、悪いことをするときはどうやって逃れるのだろうかと思っちゃいますね…
防犯カメラやこれらの情報で、犯罪はバレてしまうのではないでしょうか。

午後にまた調べると、また移動していましたが、今度は徒歩10分くらいのところにいある、またもや個人宅。
単独の犯行ではないことが推理できます。
一件であればGPSのズレも考えられますが、二件の個人宅が特定できてしまう場合は、けっこう絞り込めるのではないかと思います。
あとはロンドンの警察がどれだけやってくれるかですね。

落ち着いて、警察へ届けよう
盗難が判明した場合、即警察に通報するのが理想ですが、多くの場合、携帯を盗まれると電話をする手段がないですよね。
できれば、周りの人に協力を仰いで、すぐに警察に連絡しましょう。
警察で盗難証明書を貰わないと、保険が適用されないので、警察に連絡するのは必須です。やりとりを面倒くさがらずにしっかり対応しましょう。
電話で通報できる場合
命に関わるような緊急の場合は、迷わず 999 に電話しましょう。緊急でない場合は 101 に電話します。
ロンドンで警察に通報する場合
緊急事態の場合: 999
緊急でない場合: 101
また、オンラインによる報告も可能です。
インターネットが使える場合
オンラインで通報する
ロンドン警視庁管轄地域: https://www.met.police.uk/
イングランド、ウェールズ: https://www.police.uk/pu/contact-the-police/report-a-crime-incident/
我が家では、事件が起こったのが日曜日の夜であったこともあり、この手段を取りました。
しかし、サイト内でウロウロと迷わされてしまって苦労したので、このサイトの手続きの方法についてもここに載せます。
「ロンドン警視庁管轄地域」サイトからの手続き方法
トップページから“Report”を選びます。

“Crime” を選択したいところですが、もっと緊急を要する刑事事件の場合の選択肢のようで、すぐに電話をするよう促されます。なので、 “Lost or found property” を選びます。

紛失なので、“lost an item”を選択します。次なるアクションを正確に判断するために、質問に答えていきます。

紛失物が危険物なのかどうかを問われているので、“not hazardous” の方を選択します。「危険物」とは、人の手に渡って悪用されると、人に危害を加えかねないもののことですね。

我が家の場合は「駅のパブ」なので、公共スペースの “in a public place” を選びます。他に、
- on private property(私有地)
- on public transport(公共交通機関)
- somewhere else(その他)
が選択肢にあります。

選択肢は4つ。
- シリアルナンバーあり
- 名前がついていて、自分のものと明らかにわかる
- 500ポンド以上の価値があるか、自分にとって非常に重要なもの
- 500ポンド以下の価値で、自分のものと明らかにわからない
我が家の場合は、①と③が該当するので、それぞれを開いてみました。

“has a serial number”を選択すると、警察のサイトではない、別のサイト immobilise.com にレポートするように促されます。
携帯電話だけでなく、MP3プレイヤーやPCなど、シリアルナンバーがあるものは全てこちらでレポートするようです。
ここで、警察への連絡手段は終わってしまいました。これだとちょっと十分ではないような。

“is worth over £500 or has great sentimental value”を選択すると、”has a serial number”を選択した時と同様に、警察のサイトではない、別のサイト immobilise.com にレポートするように促されますが、その他にも最寄りの交番を探す手段が表示されます。
Find your nearest police station or contact point using the search box below.
(下の検索から、お近くの交番またはコンタクトポイントを探しましょう)
とあるので、郵便番号がわかる場合は郵便番号を入れますが、多くの場合はわからないと思うので、”Paddington Station” など、場所のキーワードを入れます。
すると、近くの交番と、コンタクト方法を表示してくれます。

日本語訳はこちら

警察を検索するとこんな感じです
開庁時間や訪問方法も教えてくれるので、参考になります。中には、オンラインで予約が必須だったり、24時間やっていたりやっていなかったり、異なります。
「オンライン」を選択すると、振り出しに戻されてしまうので気をつけて。




immobilise.com で紛失届を出す
この効果については不明なのですが、イギリスでは携帯などのデバイスを紛失したらまずこのサイトに登録するのが一般的なようなので、こちらのサイトの登録を優先的に行いました。
しかし必要な情報として、IMEI番号が必要とのこと。IMEIって何?初めて聞いたのですが…
IMEI番号とは
IMEI.info: 携帯電話が盗まれたり紛失したりした場合は、 IMEI番号を報告してブロックすることができます。その結果、デバイスは登録された国では動作しません(1人のオペレーターによって報告およびブロックされた場合、特定の国の他のすべてのオペレーターもデバイスをブロックする必要があります)。また、これが本当に重要なことは、泥棒がかけた電話やその他のものにお金を払うことからあなたを守ります。ハンドセットが見つかった場合、サービスプロバイダーがデバイスのブロックを解除できます。
IMEI.info
IMEIは、携帯電話を不正利用されることを防ぐためのもののようなので、できるだけ早めに対応した方が良さそうです。
immobilise.comでは、このように表示されます。

IMEIとは、電話についている15桁のIDナンバーで、端末が手元にある場合は *#06# を電話に打つと表示されるそうです。もし手元にある場合はやってみてください。
が、しかし盗難に遭った後ではこの方法で見つけられないので、他の方法をとる必要があります。購入した時の箱の裏にもあるそうなので、もし箱が残っている場合はその方法でも見つけられますが、ない場合も多いのではないでしょうか…
無くしたスマホのIMEI番号の見つけ方
iPhoneの場合は、appleid.apple.comでIMEIを確認できます。盗まれたデバイスで使用していたApple IDでログインし、[デバイス]までスクロールして、該当のiPhoneを選択するとIMEIを表示できます。
Androidの場合、「スマートフォンを探す」機能を使用してIMEIを確認できます。探しているスマートフォンの画像の隣にある丸で囲まれた「i」のアイコンをクリックすると、IMEIコードがポップアップ表示されます。
一部の国(米国、英国、トルコ、ラトビア、一部のラテンアメリカ諸国)では、SIMカードの利用停止に加え、盗まれたスマートフォンの識別番号(IMEI)を携帯電話会社の利用停止リストに登録してもらうこともできるそうで、それがイギリスの場合は immobilise.com であることがわかりました。
IMEIが携帯電話会社の利用停止リストに登録されると、そのスマートフォンは原理上、別のSIMカードを挿してもモバイルネットワークに接続できなくなるということです。
そうなのであれば、盗難にあったらIMEI番号を利用停止リストに登録してもらうことは必須ですね!
警察に届け出る
電話をするか、サイトで最寄りの警察署を探すかの方法で、なんとか警察とコンタクトを取れたら、盗難の届出を出しましょう。
警察に届け出たあとに、犯罪レポート番号が発行され、その後Eメールなどで連絡が来ます。
これらが、保険の請求に必要になる場合があるので、しっかりと保管しましょう。
データはどうする?
携帯電話のサービスプロバイダに連絡をして、盗難にあったことを伝えることも重要です。
イギリスの携帯電話番号だった場合、新しいSIMカードに以前の番号を移すような対処も可能なので、すぐに連絡をしましょう。
また、携帯電話のCloudサービスなどにアクセスをし、できる限り個人情報を消す対処をしましょう。特に電子マネーやクレジットカード情報などが入っている場合はリンクを解除することが必要です。
パスワードを変更する
アプリのパスワードやモバイルブラウザーに保存されているパスワードを、できるだけ多く変更します。パスワードを変更したら、2段階認証を設定しましょう。
盗まれたスマートフォンに関連するSMSや電話が来た場合は最大限に疑い、GoogleアカウントやApple IDログイン情報を入力したり教えたりしないでください。
データ消去のタイミングは?
紛失した際に、スマートフォン画面はロックされていて、スマートフォン上のデータは暗号化されており、SIMカードはPINで保護されている、という場合は、もう十分と思えるまで待ったら、デバイス上の全データをリモートで消去し、携帯電話会社に連絡してSIMカードの停止を依頼します。
iPhoneの場合はタイミングも重要なので、以下のサイトを参考にしましょう。
iPhoneの場合
iPhoneの場合、リモートからデバイスを消去する際に気をつけること
iOS 15、iPadOS 15 以降をインストールしたデバイスなら、消去した場合でも「探す」を使ってその位置を突き止めたり、音を鳴らしたりすることができます。それ以外の場合は、デバイスを消去した後でその位置情報を追跡したり、音を鳴らしたりすることはできません。
AppleCare+ 盗難・紛失プランに加入している場合は、補償の申請が承認されるまで、iPhone を消去しないでください。
Apple Support
とあるので、追跡する場合はその点について気をつけましょう。
保険会社に盗難の連絡をしよう
海外保険に加入をしている方は、保険会社に連絡をします。
保証をしてもらうために、保険会社に提出すべき書類などは保険会社と確認をしましょう。
一般的に盗難証明書、携帯購入証明は必ず必要となります。
あまり追い過ぎない。前を向くに尽きる!
海外で盗難にあった場合、自分の過失でない場合はもう
命があってよかった
そう思うのが一番です。追跡も、物理的には自分で追いかけたりは絶対にせずに、警察を信じて任せましょう。
そして、次に盗まれた時でも被害が最小限で済むように対策をして、できれば盗まれない方がいいのですが、盗まれても大丈夫なように今回の件を踏み台にして準備しておくのがおすすめだと思います。
と、自分に言い聞かせています。